イヤホンを買おう,と思った.
激しい旅の中で(という言い訳で)僕はよくイヤホンを壊す.飛行機のリクライニングシートに引っかけたり,山手線のドアに挟まれたり,ワインにダイビングさせたり,気がつくと無くなっていたり.
結局一つもなくなってしまった.iPodがなんだか泣いているようだ.
ShureのE2cというベストセラーのインナーイヤー型イヤホンを持っていたのだが,人に貸している間に内部断線してしまった(この機種は固めのケーブルのため断線が多いらしい).平たく言うと,壊された.それも保証書が切れて2週間後だ.
修理は金がかかるらしいが,同じのを買い直すのは悔しいじゃねーか.そこでワンランク上のEtymotic Research ER-6iあたりが良さげだなぁと思ったのだが,フト考え直した.
どうせまた壊しちまうんじゃあないか・・・.
iPodブームと共にネットで白熱しているイヤホン論議は実にマニアックである.Shure E2cで実売価格¥7.5k,ER-6iに至っては諭吉様でも及ぶまい.それなのに平気で4万円くらいのイヤホンが話題に上っていたり,「1万円以下のイヤホンを買うくらいなら付属のもので充分」などと乱暴に断罪されていたりする.皆さんお金あるんですねぇ.ひと昔前の「オーディオマニア」の方々がごっそりモバイルに流れたのかと思うようなセレブな議論が展開していたりする.
うーんここは,安ワインの発掘みたいに,意外な値段で「これイケる」というようなブツはないだろうか...
行き着いたのが,普段打ち込み作業で愛用しているヘッドフォンと同じメーカー,ドイツSenheiser(ゼンハイザー)のMX450である.
かけると社会生活に支障をきたすインナーイヤー型ではない.普通のイヤホン型.それでもiPod付属のものに比べると,一言で云って「近い音」.ピアノのハンマーの動きや演奏者の息づかいなんかがぐぐっと耳元に引き寄せられた感じ.充分満足だ.色づけられた音ではなく,どちらかと云うとモニタースピーカーのように,悪い音は悪い音のまま出す.マニアックに言えば12k以上のハイエンドが若干強調されて輪郭を強めに出し,代わりにmid-lowはくびれた腰のように色っぽく削がれ,低域はあくまでタイト,Senheiserらしい知性的な音.メガネをかけた図書館の女性司書のような音.
しかし色気ゆえこれは好みが分かれるだろう.トランスなんかで音が割れてもブンブンいわせて逝きたい人には奨めません(SONYにしなさい・・・笑)ロック系は若干物足りないと言う人もいるかもだけど,イヤーパッドを付けたらぐっと芯が太くなった.
愛用のヘッドフォンHD-580もそうだけど,とにかく耳に優しく聴き疲れしないのが良い.何しろこれからエイジングしてどう変わるか楽しみ.
で,この製品¥1,580なんです(ヤター).おすすめ.
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