随分と更新をサボってしまった.
何をしていたかというと,家事をしながら曲を書いて曲を書いて曲を書いて曲を書いて韓国へ行って曲を書いて曲書いて曲を書いて中国へ行って録音して曲を書いて曲を書いていた.
振り返ってみると受験生のような生活がもう一年近く続いている.
日本にいるときは外食なんて月に2〜3度.遠方から友が来たときくらい.結婚記念日も父の命日も誕生日も,家から一歩も出ずに料理をした.
とにかく時間がないのだ.
現在僕は4つの大きなプロジェクトを抱えている.例えば週に10曲作曲から完パケまで仕上げなければならないとして,5曲しか出来なかったとすれば,マイナス5曲分は借金のように翌週に繰り越され,雪だるまのように膨らみ,やがて数十曲,数百曲・・・生涯掛けてもこりゃ返せないかも知れない(笑)ゴーストを雇えという御意見もいただくが,どうやら僕は人をこき使うのが苦手らしい.
昨日のドラマ『ハチワンダイバー』の話にも近いが(←忙しいといいつつそんなもの観るな!),24時間週7日ずっと曲作りのことばかり考えていると,やがて睡眠中も『作曲脳』『編曲脳』『ミックス脳』『プロデュース脳』『マネージメント脳』がひっきりなしに稼働するようになる.夢をうつらうつら見ながらも同時に「あのデクレッシェンドはViennaのベロシティクロスフェードよりも録り音にフィルターかけてカットオフ絞っていったほうが柔らかみが増すかな・・・」などと常に考えることができるようになる.同時にUS$のギャラの予定振込日と,録音費用の人民元のレート変動について考えていたりする.
その結果はげしい不眠症だ.起きているときもぼんやりしている.
飲みにでも行きたい.遊びたい.そんなの夢のまた夢.とりあえずあと10曲・・・いやあと20曲・・・
眠れない時に羊を数える習慣を編み出した人が誰かは知らないが,要はものを考えるなということだよね.羊というのは多くの日本人にとってあまり現実味のない生き物だから(犬や猫だと余計な属性がくっ付いてきて交感神経側に訴えてしまうだろう),羊勘定も「1枚が2枚,2枚が4枚・・・」というガマの油の口上と無意味さでは互角の線をいってる.
しかし僕の羊は作曲をし,為替レートの計算もする.眠らない羊を飼う者にとって6月の空気はあまりに暑く,だるい.
こんな時はMacのメンテ,電源ケーブルの交換などをしていると妙に心休まる.少なくともその間は曲を書かなくてもよいという大義名分が立つから.
今夜は1.1TBあるサンプル音源のRAIDディスクの定期入れ替えを羊に頼もう.
雪だるまのように膨らみ,・・・生涯掛けてもこりゃ返せないなんて、
消費者金融みたいでこわいこわい
違う意味で、壮絶に思えてきた…
「1枚が2枚,2枚が4枚・・・」
これも番町皿屋敷みたい
料理はよいストレス解消法だとか。
「ただし丁寧に」
といわれると、難しいけど。
Posted by: Camellia | Monday, 16 June 2008 at 21:24
この壮大な借金を返し終わった瞬間に作家はその使命を終えるのです.
納期の数日前に終わらせて余裕で納品,という奇特な人もいますけど...人それぞれ.
これは仕事の速さの問題でも約束を守る誠実さのレベルでもなく,単に自分vs自分の生み出す情報量との死闘ですね.
Posted by: Osamu | Thursday, 03 July 2008 at 03:49