ある友人が僕をこう呼んだ.大自然の中で雄大なアコースティックギターを奏でる彼にとっては1日1曲以上作れる奴は神か機械のどちらかだと言う.機械がみずから曲を作る動機もないから,このさい神か機械かを決めるのはクライアントの有無ということになろうか.
いや,神にクライアントが居るわけはないから(一部の宗教では居るみたいですが)やはりおいらは人間か.
いずれにせよ,このところ毎日2曲以上は作曲する日々が続いている.かなり苦しい.メロディとコードを考えるだけならまだしも,アレンジをし,演奏や打ち込みをし,必要とあらばゲストミュージシャンを呼んで録音し,ミックスし,マスタリングにファイル管理までやるとなれば週に2〜3曲といったところが良心の限界であるような気がする.
別の友人はこう言った.「オサムはなんで3分の曲をつくるのに10分もかかるんだい?」・・・そういえば'90年代,渋谷系popsのアレンジャー達は実時間より早くループ組み上げてアレンジしてたっけ.AKAIのMPC60なんか使って(ディスプレイの情報量が少ないほうがいいんだよねこういうばあい).その友人は1分のCMをループ切り貼り45秒で作る.DJの中には20分のフロアの構想を1分で練り上げちまうやつもいるんだから,まぁ手法によってはこの程度の早さは当たり前なのかも知れない.
でもこのスピードレースにはあまり関わりたくないですね.僕はできれば20〜30曲程度を含む映画かアニメorゲームを1年にひとつだけ作って,あとはゆっくり旅なんかしながら生活していきたいと思います.だめですか.
しかしそう言ってしまうと上には上がいるもんで,イギリスで隣のスタジオを夏の間ずっとlock outしていたAlanis Morissetteはずっとテニスばっかしていて少なくとも3週間は何も仕事をしていなかったようだし(もちろんスタジオ代は払い続けているわけで),日本でも,クリスマスソングで有名な超大御所のシンガーはスタジオの予約をそのままにしてよく湘南の海に遊びに行っていたっけ.その隙を狙って間男のようにこそこそピアノを録音させてもらっていた若きオサムくんは,まぁなんと小物なんでしょう.
やはり仕事中毒なんですかね,そこまでのんびりした話を聞いちゃうと,やはり作曲マシーンに戻りたい気分になってくる.
今日もたくさん課題が待っている.さてがんばりますか.
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