28日から急遽ヨーロッパに飛ぶことになった.まあ出発の2〜3日前に手配するのはいつものことだ.しかし今回,請求書を見てウーンと唸ってしまった.
航空券代は,KLMオランダ航空の成田→アムステルダム→パリ/ブダペスト→アムステルダム→成田で¥60,000,エールフランスのパリ→ブダペストを片道でつないで+¥7,000,これはほぼ相場だろうと思う.
ところが合計請求額を見てびっくり.¥9万を超えているのだ.そして驚く無かれ,これはぼったくりではない.
まず空港使用料.成田の¥2,040はかつて世界で最も高いと揶揄されたものだが,今では世界でいちばん安い部類に入ってしまった.パリを例に取るとCivil Aviation Taxが¥1,040,Passenger Service Chargeが¥1,680,空港税本体が¥1,070でしめて¥4,000近い(ちなみに日本に空港税はありません.PSCのみ)最近までほとんどタダだったブダペスト空港もEU加盟で一気に成田を抜いて¥2,600に.
さらに,9.11以降加入が義務づけられるようになった航空保険料が1区間ごとに¥1,000弱,原油相場高騰によって今年から導入され始めた「燃料サーチャージ」とやらがヘタをすると日本・ヨーロッパ片道¥5,000以上する.
こうなると,CMなどで「ニューヨーク往復¥29,800!」とか「ソウル1万円台!」とか言う激安広告を見て飛びついた人は空に飛び立つ前に天を仰ぐことになりかねない.顧客側でも自ら計算してチェックしていないと「税金なので」の一言で水増し請求する旅行代理店も事実存在するのだ.また,こうした諸追加料金は日本発の航空券の場合,一律に円建てで計算されるのだが,この円換算レートがとんでもなく胡散臭い.1ユーロ=¥147って何よ...そして日系の某航空会社は,今年上半期こともあろうにこの「燃料サーチャージ」で3億円の“黒字”を出したのだという.
さらに恐ろしい話.昨年ドイツのルフトハンザ航空が提唱して広まった,旅行代理店へのコミッション制の廃止だ.分かりやすく説明すると,これまで旅行代理店の利益は,航空会社からのキックバックが大部分を占めていた.つまり航空会社は手数料を代理店に払ってチケットを「売っていただいていた」わけである.これを廃止すると代理店は倒産してしまうから,代わりに客に請求するしかない.「予約手配料」の名目で.それがイヤならwebで正規割引買え,ってか.代理店を淘汰したいんでしょうかね.
航空会社はテロの危険や原油高でどこも台所は火の車だ.それを客に転嫁して値段が多少高くなるのが問題だと言っているのではない.不透明さが不快なのだ.パッケージツアーをまとめていくらでポンと購入し,その内訳も調べない人が多い日本は,これから格好の餌食になっていくであろう.
思えば僕が外国に旅し始めたころ,格安航空券というのはブラックマーケットでひっそり不透明に売られていた.でもなんかどきどきして楽しかったなぁ・・・ああいう楽しい不透明さならいいんだけど.
(写真は本文と関係ありません.疲れたら夫婦揃ってうんこ座り.いいですねぇ.こんな旅が理想です)
ご報告
ベネズエラ空港税は$101usでした。
現金命の中南米。現地では\の変換は不可・・現地で払って天を仰ぎました。
大体の諸経費
関西空港施設使用料:\2650-
羽田空港国内線施設使用料:\200-
米国空港税:\11000-
アメリカン航空燃油特別付加運賃:\18000-
日本航空国内線燃油特別付加運賃:\600-
チケットの約半分が諸経費で増量ですた。
僕とっての不透明さは恋に残すのみかと思えば、最近は“恋の構造計画書”が偽装ではなかったのかと自分に憤慨している次第です。ハイ。恋の利回りなんて考えているから建設的な試みは負債となり、強いては心に蓄積されるので気をつけましょう。
Posted by: shoko | Saturday, 26 November 2005 at 11:55
お帰りなさい.
想像どおり米国系はすごい事になってますね>諸経費・・・
特に中南米は日によって(担当の係官によって?)変動するらしく航空会社や大使館ですら把握できていないようです.
恋はすべからくハイリスクハイリターンがその心.元本は保障されません.時間外手数料を取られるケースも間々ありますし.
Posted by: Osamu | Saturday, 26 November 2005 at 12:45
ああ、世界は確実に広がっている・・・
つうか 遠くなったんだなアって・・・だって私、何を隠しましょう 年金生活者なんです。空は飛びたいし財布は軽いし(笑)
Posted by: Mari | Saturday, 26 November 2005 at 21:10