僕はものすごい暑がりである。そこで外には出ずに家に籠もりてもの作り。運動不足もなんのその。あやしうこそものぐるほしけれ。
まずは指揮棒。去る7月24日のHanbitStation 2010のリハ直前,ふと気がついた「あれ,指揮棒がない」。
慌てて台所より取り出したるは菜箸。それをシャンパンのコルクに穴を開けてねじ込み,木工ボンドで留めてこんな感じ。どや?
意外に長さもちょうどよく,重心の位置も適度で振りやすい。しかしリハを終えて帰った晩,一本だけ残った菜箸を見つめる妻の顔は微妙。
結局本番もこれでステージに出ちまった。
次は,メインマシンであるMacProの二つある起動ボリュームのうち,音楽アプリ専用としている英語版Snow Leopardのほうを,あまり忙しくない今のうちに流行りのSSDに交換しようという目論見。もともと100GBくらいしか使ってないので,ダイエットすれば128GBのに入るだろうと。
このところSSDの値段がぼよん,ぼよんとイイ感じに下がったので,CrucialのReal SSD C300 CTFDDAC128MAG-1G1を導入した。SSD本体の値段はよいのだが,2.5"のSSDをMacPro筐体の3.5"内蔵ブラケットに取り付けるためのアダプターがただの板とネジで¥2,000もするのはどうにも納得がいかない。そこで,ガムテープと並ぶミュージシャン必須の神器,結束バンドの登場だぁ。
アメリカなどでは手錠の代わりに警察がこれで犯人をくくりあげてしまうらしい(手錠だと各種感染症の怖れがあるという,そのために石油製品を使い捨てる理由がどうしようもなくアメリカだが・・・)。しかし僕の手元にあった結束バンドは赤子の手をくくるのがせいぜいの100mmのもので(くくっちゃいけませんよ)ひと思いにSSDを固定するには絶望的に長さが足りない。しかし100円ショップに走る前に考えてみた。結束バンドをもうひとつの結束バンドにつなげば直角になってしまうものの,すぐ第三の結束バンドをクランク状につなげれば無限に延長できるではないか。
右は取付後1週間を経た様子。SSDは軽いので,奥のSATAポートがしっかり入っていればこのようにあとは手前側を支えれば充分。
肝心の使い勝手のほうは,多くの人が既に書いているように,実にきびきび。特にランダム読みが速いおかげで起動と終了がおそろしく早くなった。これで,不慮のトラブルでもクライアントを待たせる無言の時間が短くなるのは素晴らしい。さらに驚いたのは,毎回数分以上かかるVienna Ensemble多用のプロジェクトの起動時間が短くなったこと。将来的にはサンプルを入れてあるHDDのほうをSSDにしたいなぁと思っていたのだが,実はViennaって起動時にライセンスを読みに行くのがやたら時間かかってたのね。だからMac OSがeLicenserを読みに行くのを速くしないことにはどんなに音源のシークタイムが早くても時間効率には貢献しないわけだ。
容量はミニマムインストールのおかげで35GBで収まってしまい,なんだか随分余ってしまった。いちばん食ったのはIRのライブラリだった。
問題は,文明史的にもまだ第2世代(?)になって時間間もないSSDのこと,メンテナンスや長期的な寿命云々のノウハウがまだ蓄積されていない恐怖だ。長年慣れ親しんだハードディスクの常識が通じない点も多い。デフラグの仕方も違うし,酷い場合突然プチフリになるとかお亡くなりになるとか・・・こればかりは常にバックアップドライブを用意して,/tmpファイルのRamDisk移動や,ファイルを開いた日時の余計な書き込みを防ぐnoatime,さらにSafaiとFirefoxのキャッシュをRamDisk上に移動するスクリプトを書いて(気休めかも知れないが)対策しておくしかなかろう。それも含めてストレステストの夏休み。
工作はまだ続く。次はサンプル音源などを入れてあるRAIDドライブSonnet Fusion 500Pの冷却ファンがうるさいという問題。
このエンクロージャーは公式サイトなどを読んでも静音性を売りにしているはずなのだが,音程感のある「ぶうぉわー」というファン音は正直音楽仕事には堪えられなく,悩みの種だった。ひょっとして不良品なのではないかとファンを交換(この製品はファンモジュールも工具なしでホットスワップできるようになっている。Sonnetの名誉のために言っておきますがこれはよい造りです)しようとも思ったが,¥6,000以上もかかる上に日本国内に在庫があまりないようだった。バラしてみるとファン自体はごく普通の8cmのもの(米国製Vantec Stealth SF8025L)で,日本では見かけないが米国で$10台。でもこの際なので,オーストリアが世界に誇る!あこがれの(なんと地味なあこがれでしょう)Noctua社のファンに替えてしまおうと,取り寄せました。
なんともシックな色ではないですか。どうせ隠れてしまう冷却ファンには勿体ない。しかし見えない下着を着飾るようでなんだかうきうきしますね(しねぇよ?)。
実はこのファン,先日TaQの新しいスタジオを訪れたときに見たLaCie 4Big Quadraが意外に静かなのに驚き,そのスペックシートを調べて発見したもの。なんだか,スイスの時計,フィンランドの携帯電話,フランスの政府支援系無料Macアプリなんかにも通じるヨーロッパのものづくりエスプリを感じるよい製品です。6年保証というのもあっぱれ。お代¥1,980。
実際に装着してみると,確かに静か。英国のレビューに"quiet, but not silent"と書かれているように決して無音ではないが,エレガントな音色は意識を奪わず,エアコンの音にかき消されてしまっている。あまりに静かすぎて電源ボタンをもう一度押し,うっかりアンマウントさせてMacに怒られてしまった。ちゃんと仕事をしてくれているのか不安になったのでTemperature Monitor(ドイツ製フリーウェア)でHDDの温度を測定したところ,交換前よりも若干高い。しかし連続10時間のファイルコピーをして最高でも40℃台をキープしていたので(室温27℃)まぁ合格としよう。同じドイツ語圏仲間だからと甘めの数値を示したりしてねぇだろうな・・・? いやいや,そんなイタリア知恵が廻るなら逆にドイツも安泰だ。
まぁ,『オレは働いてんだぜ。見ろよ,聞いてくれよ』というアメリカ人労働者を一人クビにして寡黙なドイツ系を雇ったような印象です。
最後は,4年もの連続使用後チリチリシーシーと可聴範囲ギリギリのいや〜んな高周波騒音を発していた妻のWindows XPマシン,Dell Dimension 9150の修理で締めくくる。
最初はハードディスクを疑ってみたが,交換しようと筐体を開けてみると原因は電源ユニットだと分かる。
とにかく彼女の酷使の仕方が尋常ではなく,あるミッション(?)のためにサーバー並に昼も夜も連続高負荷運転を続けている。
リビングに置いてあるPCなので,こいつが明けても暮れてもチリチリシーシーと悲鳴を上げ,かつ「ぶうぉわー」(再び)と全身全霊で排気していると,横でTVすらまともに観られやしない。つまりもはや彼女一人の問題ではなく家庭の利害と相成った。しかし今ちょっと新しいPCを購入する予算はないし,XPを使い続けるなら割りと良くできたマシンだということで¥7,980出してAmazonで電源ユニットOwltechのEverest 85PLUS 520をBritaのフィルターと共に(笑)注文し(しかしアマゾンって何でも売ってるのね),延命を図ることにした。
このEverest,内部の電源ケーブルが取り外し式となっていて,余分なケーブルを引き回さなくて済む。それでも余ったケーブルはまた結束バンドでまとめて,っと,おっとここで手が汗で滑って,右手中指の第1関節付近を筐体のエッジで軽くえぐってしまった。まあ慣れない手仕事はこのへんでやめてあとは旨いものでも作って食いましょう。
電源ユニットの発熱も減ったおかげで見違えるように静かになったPC,リビング,そして我が家。
さあて曲でも書くか。いやいやもうちっと休ませて。
ついでにTwitter始めました。今さらですが(笑):osamukubota
私は昨年度から農業をしておりまして、動物や暴風のネットの取付などにも結束バンドが大活躍しております。
輪っかになってしまった使用済みの結束バンドもギリギリのところで切断し再利用、短くなってしまうので時には2つ3つ連結して使ったりしていますw
パソコンはiMacユーザなのでメモリ増設以外は恐くて手を出していませんが;
いやしかし、御手製指揮棒を振っていらっしゃるお姿を拝見したかった・・・!!
指揮棒の再度の活躍を勝手に期待させて頂きます。
Posted by: Lony Mitsuki | Friday, 27 August 2010 at 23:11
偉大なポスト、偉大なブログ!
レプリカ時計
Posted by: レプリカ時計 | Friday, 19 August 2011 at 23:55