白い
淡い
光
優しく
蠢く
秋の海の
海月(くらげ)のやうに
しかしそれはクラゲではなかった.最近うちではwebカメラなどというものを導入して60km離れた実家の両親と時折ビデオチャットをしている.普段は母親が登場することが多いのだが,たまに父親も「出演」する.
実家の回線はとても遅いので,解像度はすこぶる悪く,お風呂場の磨りガラスごしにパントマイムをするようなものであるが,家族の会話なんて所詮その程度で事足りる.
あるとき画面に白い浮遊物のような眩しいモザイクがぶよぶよとだらしなく揺れたと思ったら,それは老いた父の禿頭の輝きであった.カメラがどこにあるか分からず単にキョドって動き回っているようだ.
もはや唸るクラゲにしか見えない父に,歳月の流れを感じた.
(しかしこんなものを見るためにン万円も投じてビデオチャット環境を整えたのか・・・かかかっ)
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