Le publilogue

Logic meets Korean Air

酒を呑むのになにも高度40,000フィートの空の上まで行くこたぁないじゃないか．
ミックスするのになにも搭乗15分前の空港ロビーでやるこたぁないじゃないか．
そもそも
仕事するのにいちいち国外に出るこたぁないじゃないか．

慣れたが，よく考えてみると普通じゃない．

でも夕方の飛行機は好き．
ふわっと，一瞬地球から解放される．
昔，まだ飛行機に乗るのが単純に旅のためだった頃を思い出す．

vaseline ballroom

さいきん，気になっている中国のアーティストがいる．

vaseline ballroom - 田原 - 新浪blog

田原（ティエン・ユエン）という．タハラではない（笑）
北京語が読めなくとも一見して引き込まれてしまう，不思議なサイトである．彼女は自分の視野に入ってきたものをデジカメで切り取り，聴いた音を吸い取り，瞬時に再構成してしまう才能の持ち主だ．富士通の１台のラップトップを味方に付けて．
いちおう女優というカテゴリーに属するのだろうか，それも日本ではたまたま紹介された映画がホラーだったりレズビアンの役だったりでかなりカルトな印象を持たれてしまっている．そのとおり，若干の奇行もおありのようである．韓国の女優さんのようにおそろしく美形という訳では決してないが（本人には怒られちゃうかもですが），おのれの耳目を以て何らの魅力と成す，これこそ"talent"の原点ではないか．
韓国の女優はひたすら美．中国の女優は知性とデジタルマルチメディア，という時代，日本の女優さんは何で売っていくのでしょうか・・・？

先日，暑い暑い北京の夜，彼女が主演する新作映画のロケ現場に行き，流暢な英語を話す彼女と他愛もないおしゃべりをする機会に恵まれた．まったく背伸びをしない人だなぁと思った．
大陸に行くと，やたらめったら勢いのいい人や，何でもかんでも当社比20%増で表現する人に遭遇しがちな印象があるのだが，ほんとうによいアーティストはみんなイイ感じにぽかーんと力が抜けているもんだ．
ロケは病院で行われていたのだが，貸し切って病人を叩き出してしまうわけにはいかないので（当然）ロビーなんぞは成り行き上お芝居の病人とリアル病人が同居するシュールな空間となっておりましたです．警備員に音楽がうるさいと咎められ，はははオマエ警備員のかっこう似合ってるなー，なんて言ってたら本物の警備員でした．すみません．

some small hope

この仕事をしていると，出逢いの海をダイナミックに泳ぐ（「出会い系」のことではありません）楽しみを感じるときもあれば，人に疲れ，孤独の谷に深く深く引きこもりたいと強く願う瞬間もある．そしてそのどちらも健全なことだと思う．
このところ，正直ちょっと人が苦手だった．親しい友人や家族など心を許せる人がいたのは幸運だったが，友人どうしのもめ事に巻き込まれたり，仕事なのに連絡すれどもすれども返ってこない人のために損失を被るなど，扉を開けば開くほど自分の精神の防御の隙をついてくるような出来事が，これでもか，これでもか，と挑みかかる無知な兵士のように僕を襲ってきていたのだ．

そんなとき１枚のCDとDVDが届いた．ずっと以前に僕の"Carezza"という曲のロングヴァージョンを作って自ら演奏してくれた人からだ．当時は学生だった彼女が，なんと同じクリエイターとして作曲を生業にすると決まったようで，その売り込みの勝負曲を送ってくれたのだった．嬉しいことではないですかぁ．
今の僕を縦にゆすっても横に振っても出てこない要素が詰まった音を聴きながら，やはり僕は人に恵まれていたのかな，と思った．

ねお・すちーむ

またも韓国製オンラインゲームのお仕事．
Granado Espadaと同じハンビットの“Neo Steam”というゲームの日本展開イメージソング“VOYAGEURS 〜ヴォワヤジャー”（＝旅人）を手がけました．
過去でも未来でもない，でも蒸気機関万能産業革命を思い起こさせるいわゆるスチームパンクで，まふまふしたキャラクターがかわいいですねぇ．それにしても飛行船から地下鉄まで蒸気で動くってえのは想像を絶しますね．．．

久々にハジけ飛ぶような明るいお歌作っちまった．
今回は僕が作詞・作曲し，ゲーム内で使われるremixアレンジはGood-Cool氏にお願いしました．彼とのコラボも結構長い歴史があるんですよ．
秋頃にはイベント等のライブ展開で新たに某女性ボーカリストが加わります．